2019年春、ニューヨーク/ニューアークからシンガポールまでの直行便、SQ21便に搭乗しました。この便と往路のSQ22便は2019年現在の世界最長路線です。SQ21便はニューヨークを定刻10時25分発、シンガポールには次の日の17時10分に到着します(季節によって若干の違いあり)。SQ22便は夜23時代発の深夜便でしたが、SQ21便は昼行便になります(SQ22便の搭乗記はこちら)。所要時間は18時間45分、実際の飛行時間は17時間20分でした。往路のSQ22便と比較して20分多く時間がかかることになっていますが、今回は往路と同じ飛行時間でした。SQ21便には二つの飛行ルートがあります。一つはニューヨークから東へ向かい、ヨーロッパ、インドを経由してシンガポールに至るルート、もう一つが、ニューヨークから北へ向かい、北極圏を通過してシベリア、中国、タイと南下し続けてシンガポールに至るルートです。今回は後者でした。基本的に北極経由のルートが多いようです。飛行距離は約15800 kmでした。大圏コースを飛ぶ北極経由ルートだと、SQ22よりも飛行距離は若干短くなります。利用クラスはプレミアムエコノミーです。機内食はトレーに乗って出てくるものが二回(離陸1時間後ごろと離陸10時間後ごろ)と、到着間際にピザとスイーツが配られます。そのほかの時間でも、機内後方でサンドイッチやお菓子、果物などが入手可能でした。
シンガポール航空の簡単な紹介
シンガポール航空(SQ)は、シンガポール・チャンギ国際空港を拠点とするシンガポールのフラッグキャリアです。サービス水準が高いことで有名で、スカイトラックスのベストエアライン賞で常に上位にランクインしています。日本には東京羽田、東京成田、中部国際、関西国際、福岡に定期便で乗りいれています。スターアライアンスに所属しているので、申請すると搭乗でANAマイルがたまりますし、ANAのマイルで特典航空券を発券できます。ただし、最新機材のビジネスやファーストクラスについてはシンガポール航空のマイルでしか特典航空券を発券できないようになっています。
ホームページはこちら。
https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/home#/book/bookflight
SQ21便(ニューアーク→シンガポール)搭乗記
搭乗便基本情報
- 運航会社： シンガポール航空(SQ)
- 便名： SQ21
- 出発： ニューアーク(EWR) 10:25
- 到着： シンガポール(SIN) 17:10+1
- 所要時間： 18時間45分
- 区間基本マイル： 9861マイル(世界最長！)
- 機材： A350-900ULR(エアバス)
- 搭乗クラス： プレミアムエコノミー
- 搭乗時期： 2019年春
ニューアーク国際空港ターミナルBから出発
ニューヨーク・ニューアークリバティ国際空港ターミナルBの53番ゲートから出発します。シンガポール航空のニューアーク空港における指定ラウンジはヴァージン・アトランティック航空のClubhouseです。空港ラウンジというよりもカフェのような雰囲気のラウンジです。SQ21便をビジネスクラスで利用するか、スターアライアンスゴールド資格保持で搭乗すると利用できます。プレミアムエコノミーで搭乗するだけでは利用できませんのでご注意ください。詳細はこちら
worldwideharikov.hatenablog.com
ニューアーク国際空港ターミナルBは3つのセクションに分かれており、保安検査通過後はお互いに行き来できません。そのため、ニューアーク国際空港ターミナルBを出発する他のスターアライアンス系航空会社の指定ラウンジ(ルフトハンザ航空やSAS航空)は使えません。
プレミアムエコノミーの最後尾は1－4－1配列
今回の座席は42H。プレミアムエコノミーの最後列窓側です。SQ22の搭乗記で紹介した通り、シンガポール航空のA350-900ULRのプレミアムエコノミーは、基本的に2－4－2の座席配置ですが、最後尾3列だけは1－4－1となっており、窓側は独立シートです。フルフラットにはならないものの、一世代前のビジネスクラス並みに快適です。
足元はこんな感じ。かなり余裕があります。おかげでとても快適でした。私が予約した当時は無条件で指定できましたが、残念ながら現在は事前座席指定はできなくなっているようです。おそらくシンガポール航空が自社の上級会員向けに座席をロックしているものと想像されます。シンガポール航空A350-900ULRの座席指定について、わかっていることはこちらにまとめました。
worldwideharikov.hatenablog.com
SQ22(シンガポール→ニューアーク)の搭乗記はこちら。
worldwideharikov.hatenablog.com
最長フライト
出発
ほぼ定刻で出発します。離陸待ちが沢山います。
アメニティとして、靴下と歯ブラシ、アイマスクが左の袋に入れられて配られます。毛布と枕は最初から座席に置いてあります。
離陸後すぐにナッツとドリンクがもらえます。深夜便のSQ22ではナッツはなかったです。なぜか二つもらえました。ドリンクはシンガポールスリングをオーダー。シンガポールで100年前からある有名なカクテルです。甘くて飲みやすいですが、ジンベースなのでアルコール度数が高めな点に要注意。エコノミークラス搭乗時でも注文できるので、シンガポール航空をご利用の際はぜひ試してみてください。
最初の機内食
離陸から1時間ほどで最初の機内食です。Panang Mooという、タイ式のカレーを選択しました。
昼行便なので、食後にアイスが出てきます。
離陸から2時間経過
離陸から2時間ほど経過、カナダの奥地を北上していきます。凍って真っ白な川が見えます。機内はこのあたりから消灯されました。SQ22と異なり、寝るには早すぎるので、映画を見たりパソコンで作業をしたりして過ごしました。
離陸から5時間経過
離陸から5時間経過。グリーンランドの端を通過し、いよいよ北極海に入ります。流氷が見えています。
機内後部ではカートにリンゴが置いてありました。
北極付近に到達
離陸から5時間30分ほど経過。いよいよ北極点付近です。この時期の北極は白夜ですので、到着まで太陽が一度も沈みません。ヨーロッパ経由の飛行ルートの場合はこのあたりで一度日没になります。
北極付近の外の様子(北極点と反対側)。流氷で覆われていて真っ白です。
北極付近の外の様子(北極側)。 流氷なのか、雲なのか、とにかく真っ白です。
離陸から10時間経過
離陸から10時間が経過。二度目の機内食。ビーフハンバーグを選択しました。アメリカンな味がします。この便がニューヨーク出発であることを思い出します。
離陸から11時間経過
離陸から11時間。モンゴル上空を通過中。
機内後方には今度はお菓子とサンドイッチが置いてありました。フライト中空腹になることはなさそうです。
離陸から16時間経過
二度目の機内食の後、仮眠していると離陸から16時間が経過。最後の機内食のピザとスイーツが配られました。今度は同時に来ました(笑)。左側のビンのようなものがスイーツで、キャラメル味のケーキのような何かでした。メニューではsweet treats(お菓子)となっており、やっぱりわからず終いでした。おいしくいただきました。
離陸から17時間経過
離陸から17時間。熱帯の空模様になってきました。いよいよシンガポールに到着です。往路のSQ22便同様、想像以上に快適でした。
荷物を預けたまま一泊した後に乗り継ぎ
定刻よりも50分ほど早くシンガポールに到着しました。乗る前は耐えきれるか不安でしたが、終わってみるとまた乗ってみたいと思えるフライトでした。シンガポールでは荷物を預けたまま1泊します。ちゃんと翌日のフライト(シンガポール→羽田)後に羽田で回収できました。帰国フライトだとお土産や着替えなど使わない荷物が多いですので、必要なものだけ機内に持ち込んで預けっぱなしにしておくと、乗り継ぎ時間が身軽に過ごせます。私はこの方法をわりとよく使います。例えばこちら
worldwideharikov.hatenablog.com
ただし、シンガポールの場合、荷物は乗り継ぎ待ちの間、冷房の効かない場所に置きっぱなしにされることが想定されるので、チョコレートなど溶けると困るものは入れないほうが無難です。もし乗り継ぎの際に1泊するような日程で、荷物を回収したければ、ニューヨークでチェックイン時に一言いえばシンガポールで回収可能だと思います(未確認)。
まとめ(感想)
世界最長フライトであるSQ21便(ニューヨーク→シンガポール)のプレミアムエコノミーに搭乗しました。シンガポールからニューヨークまでのSQ22便と同様に、思っていたほど疲れは感じませんでした。昼行便ですので、寝ることに集中したSQ22とは異なり、機内を楽しむ時間が十分あります。ただし、基本的に消灯されている点は注意が必要です。機内食を食べたり、外の景色を見たり、パソコンで作業をしたり、映画を見たり、寝たりなどしていると、あっという間にシンガポールに到着します。機内後方に食べ物が置いてあるので、空腹で困ることもありませんでした(むしろ食べ過ぎ気味)。次はできればビジネスクラスで乗ってみたいですが、そんな機会があるのでしょうか。以上、SQ21便の搭乗レビューでした。
おまけ：世界最長フライトの積算マイルとプレミアムポイント
シンガポール航空ホームページ、プロモーション(https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/special-offers/flight-from-Tokyo/)より
今回の旅程は東京(羽田)―ニューヨーク(ニューアーク)でシンガポール航空のホームページから予約しています。予約クラスはP(プレミアムエコノミーStandard)です。取り消し・払い戻しが2万円、予約変更が5千円でできます。マイルはクリスフライヤーに100％の倍率で積算できます。値段はサーチャージ次第ですがおよそ20万円程度です。期間限定のプロモーション価格ですが、2019年現在も引き続き販売されています。
シンガポール航空はスターアライアンスメンバーですので、ANAのマイレージにも積算が可能です。私はANAに積算しましたが、その結果が上の画像です。シンガポール航空の予約クラスPはANAマイレージクラブに100%積算でき、プレミアムポイントの搭乗ポイントも付きます。羽田―ニューヨークで合計26346マイル、27946プレミアムポイントになります。プレミアムポイントはANA上級会員になるためのポイントです。詳細はこちら
ANAのマイル修行(SFC修行)の観点でも、世界最長フライトは優秀です。プラチナメンバーになるために必要なプレミアムポイント(50000pp)の半分を一発で獲得できます。先の画像での航空券の値段(212090円)でpp単価(1プレミアムポイントを得るのに必要なお金)を計算するとが7.6円/ppとなります。pp単価的にも優秀です。修行の観点での欠点は、時間がかかりすぎることでしょう。機内にいる時間だけで48時間以上あります。
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