デルタ航空のマイレージプログラム、スカイマイルの上級会員資格は主に3種類の方法で取得できます。一つ目はデルタ航空やデルタ航空提携各社の飛行機に乗ること、二つ目は他の航空会社の上級会員資格を所持してステータスマッチプログラムを利用すること、最後はデルタアメックスゴールドカードというクレジットカードを持つことです。それぞれの手段での上級会員資格所得方法について解説します。
デルタ航空の上級会員制度
デルタ航空の上級会員にはシルバーメダリオン、ゴールドメダリオン、プラチナメダリオン、ダイヤモンドメダリオン、の4つのランクがあります。それぞれの特典の詳細についてはこちら
特に大きな特典が、空席がある場合の無償アップグレードです。ゴールドメダリオンの場合は72時間前からアップグレード可能になります。特典航空券やマイルと現金を使って購入した航空券でも対象になります。日本―アメリカ間などの長距離国際線の場合は足元が広いデルタコンフォートプラスへのアップグレードが限度ですが、米国国内線やカリブ海路線などの短距離路線ではビジネスクラス相当のデルタファーストへのアップグレードも可能です。私も搭乗した際に実際にアップグレードされました。その時の搭乗記はこちら
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デルタファーストの座席はこんな感じ。奥がデルタコンフォートプラスの座席です。座席の前後間隔は大して広くないですが、横幅が通常のエコノミーと比較して1.5倍あるのでかなり楽です。
出発24時間前からですが、ロサンゼルス―ニューヨークなどの長距離国内線で導入されているデルタ・ワンへのアップグレードも空席があれば可能です。デルタ・ワンはフルフラットシートですので、アップグレードできればかなりお得です。
注意点は、最も安いエコノミーの運賃であるベーシックエコノミー(予約クラスE)ではアップグレードの対象にならないことです。ベーシックエコノミーはLCCのように座席指定や予約変更、払い戻しができない運賃です。アップグレードを狙うのであれば必ずメインキャビン以上の運賃を選択しましょう。
ゴールドメダリオン以上だとスカイチームエリートプラス会員資格が付与されます。これでデルタ航空だけでなくスカイチームに加盟している大韓航空や中国東方航空、KLMオランダ航空やエールフランス航空などの利用でもラウンジや優先搭乗、優先チェックインを利用することができます。
アメリカ国内線やアメリカ近辺の近距離路線をよく使う人にとってうれしい特典が受託手荷物無料化です。デルタ航空の場合、アメリカ国内線やグアム、サイパン、カリブ海発着路線単独での利用の場合、受託手荷物は有料になります。これが無料なので結構助かります。なお、日本―アメリカ間のデルタ航空便では会員でなくても受託手荷物は2点まで無料です。
デルタ航空上級会員資格の獲得方法
デルタ航空の上級会員になる主な方法について解説します。
搭乗ポイントで取得する
一定以上の搭乗ポイントを獲得することで上級会員になれます。搭乗ポイントはMQM、MQS、MQDの3種類あります。MQMまたはMQSを一定以上獲得することで上級会員になることができます。アメリカ在住の会員の場合はこれにMQDの条件を満たす必要があります。
MQM
ANAだとプレミアムポイント、JALだとFLY ONポイントに対応するものです。デルタ航空が算出している路線ごとの飛行距離に予約クラスによる倍率を掛けたものがMQMとなります。予約クラスごとの倍率は以下の通り。
- F, J: 200%
- P, A, G, C, D, I, Z, Y, B: 150%
- W, M, S, H, Q, K, L, U, T, X, V, E: 100%
- R, S, O, N(特典航空券): 0%
予約クラスは予約時に表示されています。例えば、羽田―ロサンゼルスをメインキャビン(予約クラスT、100%積算)で往復する場合、獲得できるMQMは飛行距離5486×2(往復)に倍率1.0(100%)がかかり、10976MQMとなります。
予約したフライトでMQMをいくら獲得できるかは、予約確認画面の「ご確認、お支払いに進む」の左側に表示されています。
デルタ航空が提携している各社の搭乗でもMQMは貯まります。MQMの対象となる航空会社とその積算率の詳細はこちら。
上のリンク先の表の「メダリオン会員資格取得必要マイル」の欄の倍率がMQM計算用の倍率になります。基本的に100%以上の積算率です。
各上級会員資格に必要なMQMは以下の通りです。
- シルバーメダリオン:25000MQM
- ゴールドメダリオン:50000MQM
- プラチナメダリオン:75000MQM
- ダイヤモンドメダリオン:125000MQM
羽田―ロサンゼルスをメインキャビン(100%積算運賃)で2.5往復するとシルバーメダリオンに、5往復するとゴールドメダリオンになれます。
デルタ航空の上級会員にはMQMの繰越という仕組みがあります。これは、例えば12月31日までの獲得MQMが45000MQMだった場合、次年度はシルバーメダリオンに必要な25000MQMを引いた20000MQM加算された状態からスタートできる仕組みです。そのため、必要以上にMQMを獲得しても無駄になりません。
MQS
デルタ航空またはデルタ航空の提携航空会社に搭乗した回数です。片道で1MQS貯まります。各上級会員資格のために必要なMQSは以下の通りです。
- シルバーメダリオン:30MQS
- ゴールドメダリオン:60MQS
- プラチナメダリオン:100MQS
- ダイヤモンドメダリオン:140MQS
MQMとMQSはどちらか片方で上級会員資格の条件を満たせば良く、両方満たす必要はありません。
MQD
デルタ航空の航空券購入に使ったお金です。基本運賃とサーチャージが対象となります。アメリカ以外の国に在住の会員には適用されませんので、詳細は省略します。
有効期限
上級会員資格を得るには、MQMやMQSを暦年内(1月1日から12月31日)の間に会員資格を満たすだけ貯める必要があります。暦年内に会員資格に到達すると、翌々年の1月31日まで上級会員資格が有効です。例えば、2019年12月31日までに60MQSを獲得できた場合、2021年1月31日までゴールドメダリオン資格を維持できます。
ステータスマッチプログラム
デルタ航空にはステータスマッチという仕組みがあります。これは、他の航空会社で上級会員ステータスを所持している人に対して、期間限定でデルタ航空の上級会員ステータスを付与する仕組みです。ANAやJALも対象となっており、ANAのブロンズやJALのクリスタルを所持しているとシルバーメダリオンが、ANAのプラチナやJALのサファイアを所持しているとゴールドメダリオンが、ANAのダイヤモンドやJALプレミア、ダイヤモンドを所持しているとプラチナメダリオン資格が、それぞれ付与されます。デルタ航空と提携していない航空会社であればどこの航空会社でもかまわないようです。公式ページでの説明はこちら
ステータスマッチによる会員資格の有効期間は3か月間ですが、この3か月間の間に条件を満たすことで会員資格が延長されます。条件は
- シルバーメダリオン:6250MQMまたは8MQS
- ゴールドメダリオン:12500MQMまたは15MQS
- プラチナメダリオン:18750MQMまたは25MQS
です。羽田―アトランタ(2020年3月就航)をメインキャビン(積算率100%)で往復すると13766MQM獲得できますので、ゴールドメダリオンの維持が可能です。2019年の場合、2018年7月1日から2019年6月30日までにステータスの延長条件を満たすと2020年1月31日まで、2019年7月1日以降に条件を満たすと2021年1月31日まで、会員資格が延長されます。
申請方法や申請の際の注意点はここで書くと長くなるので別の記事でまとめています。
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デルタアメックスゴールドカードを所持する
3つ目はデルタアメックスゴールドカード(正式名称はデルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード)を所持する方法です。年会費26,000円+消費税なので、それなりに値は張りますが、持っていれば発行から1年間は条件なしでゴールドメダリオン資格を保持できます。
発行から2年目以降は1年間のカードの利用額でステータスが決まり、
- シルバーメダリオン:100万円以上利用
- ゴールドメダリオン:150万円以上利用
となります。この利用額には家族カードによる利用も含まれます。メインカードとして利用すれば年間150万円は不可能な額ではないですので、有効な手段になると思います。一方で、メインカードとして使う予定がなく、わざわざ150万円をゴールドメダリオンのためだけに出費する必要があるのであれば、MQMでゴールドメダリオンを取ったほうが安上がりでしょう。
まとめ
デルタ航空の上級会員資格と上級会員になるための方法についてまとめてみました。デルタ航空の上級会員資格に必要なMQMは、安い運賃でも距離の100%分貯まります。安い運賃だと積算ポイントが距離の30%程度になることもあるANAのプレミアムポイントやJALのfly onポイントと比較して貯めやすいです。また、デルタアメックスゴールドカードは作れさえすれば上級会員になることができます。海外に出かける際に国内乗り継ぎが必要ない場所(例えば、首都圏や関空、中国東方航空や大韓航空便が就航している地方空港周辺)に住んでいて、海外に行くことが多いのであればANAやJALの上級会員を維持するよりもメリットが多いかもしれません。以上、デルタ航空上級会員資格の獲得方法のまとめでした。