ANAクアラルンプール発券でシンガポールに滞在する方法

 マイル修行をする人の間で海外発券、つまり、日本以外を出発点とする発券、が安くて効率的な修行方法として使われることが多くなりました。ただ、海外発券を利用するためには現地に行く必要があり、どうしても発券地に2度行く必要が出てしまいます。単純往復の旅程だと、発券地に2度行き、2度滞在することになります。これだとよっぽど発券地が好きでない限りつまらないですよね。ANAで海外発券を利用する場合、クアラルンプールが安くて有名です。このクアラルンプール発券だと、ストップオーバー(乗り継ぎ時に24時間以上滞在すること)を利用することでシンガポールにも滞在し、1度目と2度目の滞在場所を変えることができます。この方法を使うと、マイル修行を土日完結の弾丸旅行で行い、さらにクアラルンプールとシンガポールを観光することができます。平日休みを取れないけどマイル修行したい方におすすめです。

海外発券のメリット

 航空券の海外発券とは、海外発日本行の航空券を発券することです。例えば、ANAでのクアラルンプール発日本往復の航空券などが該当します。海外の航空会社だと、日本発の航空券が海外発券に該当します。具体的には、シンガポール航空で東京発シンガポール往復の航空券が該当します。

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ANAホームページ(https://www.ana.co.jp)より。左側が日本発の旅程、右側がクアラルンプール発の旅程。

 マイル修行でこの海外発券が着目される理由は、特定の発券地だと海外発券のほうが日本発券よりも航空券の条件が良いためです。例えば、ANAのクアラルンプール発日本行の航空券と、日本発クアラルンプール行の航空券の値段を比較すると、同じ日、同じ便、同じ予約クラスSでもクアラルンプール発だと日本発の2/3程度の値段になっています。加えて運賃タイプも異なっており、クアラルンプール発券は予約変更可能なBasic, 日本発券は予約変更できないValueになっています。一方、マイルやプレミアムポイントの積算条件は変わらないので、クアラルンプール発だと東京発の2/3の値段で東京発と同じだけプレミアムポイントを獲得できます。

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 土日で完結する弾丸旅行に使える点も、短時間でマイル修行したい方や弾丸旅行が好きな方にはメリットになります。通常の安い航空券は最低滞在日数が2日以上のため、土曜に現地について日曜日に現地を出発する、というような旅程で購入すると、高額な運賃しか出てきません。一方、海外発券だと往復でチケットが別なので、滞在日数が少なくても安い運賃で利用できます。極端な場合、乗ってきた飛行機でそのまま帰ることも可能です。

海外発券のデメリット

 一方、海外発券のデメリットは、当然ですが、発券する海外まで行く必要があることです。クアラルンプール発券の日本行航空券を利用するには、クアラルンプールに行く必要がありますし、復路の日本発クアラルンプール行航空券を利用した後は、現地在住でない限り、日本に戻るための航空券が必要になります。そのため、海外発券を利用する際は、日本から発券地までの往復航空券とセットで利用する必要があります。

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そうすると、発券地には必ず2度行く必要があります。つまり、

1往復目

HND→KUL(日本発券往路)
(クアラルンプール滞在)
KUL→HND(海外発券往路)

2往復目

HND→KUL(海外発券復路)
(クアラルンプール滞在)
KUL→HND(日本発券復路)

となります。日本の発着地はスケジュールの都合で羽田(HND)のほうが都合がよいのでHNDにしています。マイル修行のためと割り切っても良いですが、ちょっとつまらないです。加えて、マイル修行のために日本発をANA便にすると、安い航空券は最長滞在期間が2か月程度であることが多いので、2か月以内に2往復する必要があります。

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 また、何らかの理由でどちらか1往復分が欠航になった場合に処理が面倒になる点もデメリットです。例えば台風で欠航となった場合、通常であれば往復ともに無料で振替、払い戻しとなりますが、海外発券の場合は行きが欠航になっても帰りは欠航にならず、旅程上も振替や払い戻しの対象とはならない、ということが起こりえます。夏や秋に利用する場合は念頭に置いておいたほうが良いでしょう。

クアラルンプール発券でシンガポールに滞在する方法

 ANAの海外発券で、発券地がクアラルンプールの場合、ストップオーバーを活用することで、2往復のうち、1往復目はクアラルンプールに滞在、2往復目はシンガポールに滞在、というような旅程を組むことが可能になります。ストップオーバーとは、乗り継ぎの際に乗り継ぎ地点で24時間以上滞在することです。つまり、

1往復目

HND→KUL(日本発券往路)
(クアラルンプール滞在)
KUL→HND(海外発券往路)

2往復目

HND→SIN(海外発券復路)
(シンガポール滞在)
SIN→KUL(海外発券復路)
KUL→HND(日本発券復路)

という旅程です。これを利用すると、海外発券を利用したマイル修行でも、異なる滞在地で観光できます。

予約方法の具体例

 例として、2020年2月29日、3月1日の週末でクアラルンプール滞在、翌週の3月7日、8日の週末でシンガポール滞在の日程を考えます。どちらも金曜日の深夜に羽田を出て機内泊、現地で1泊して次の日には帰るという弾丸旅行です。ただ、土日で完結するので、仕事があっても有休などをとる必要はありません。日曜日は夜には羽田に到着するので、月曜日の仕事への影響も少ないです。現地滞在は1日しかありませんが、クアラルンプールもシンガポールも市街地までのアクセスが良く、観光地も近い場所に集まっているので、1日あればそれなりに観光できます。

 日本発券分はクアラルンプール行往路とシンガポールからの復路になります。シンガポールからの復路はクアラルンプールを経由しますので、東京―クアラルンプールの往復で購入します。

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ANAホームページ(https://www.ana.co.jp)より

 条件によって多少前後することもありますが、予約クラスS(マイル積算率50%)で77340円でした。

 次にクアラルンプール発券分は、クアラルンプールの復路とシンガポールの往路になりますので、

3月1日 クアラルンプール→東京
3月7日 東京→シンガポール
3月8日 シンガポール→クアラルンプール

として購入します。

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 こちらも条件によりますが、予約クラスSで61410円です。クアラルンプール―東京の単純往復との差額は約10000円です。クアラルンプール―シンガポール間の飛行機はLCCで8000円程度ですので、時間や手間を考えるとクアラルンプールからシンガポールを往復するよりはお得です。

 この旅程を実行する際の注意点は、シンガポール→クアラルンプール→東京の乗り継ぎ時間を十分確保することです。シンガポール→クアラルンプールと、クアラルンプール→東京は別切りの航空券となりますので、シンガポール→クアラルンプールの便が何らかの事情で遅れてクアラルンプール→東京の便に乗り遅れても補償されません。実際に先日試したところ、シンガポール→クアラルンプールのフライトが1時間遅れてひやひやしました(搭乗記は近日公開する予定です)。

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 また、荷物を預ける場合、クアラルンプールで一度入国して荷物を回収し、ANAのカウンターで預けなおす必要もあります。クアラルンプールの入出国は混雑していると30分から1時間ほどかかることもあるので、時間に余裕があったほうが良いでしょう。上の例では8時10分クアラルンプール着の便を選んでいますが、10時台にクアラルンプールに到着する便であれば荷物があっても大丈夫だと思います。

 荷物を預けない場合は、試していませんが乗り継ぎカウンターでチェックインできるはずです。この場合はクアラルンプールで入国する必要がないのでもう少し時間に余裕ができます。

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まとめ

 ANAのクアラルンプール発券旅程を利用する際のクアラルンプール2往復のうち、1往復をシンガポールに滞在する方法を解説しました。この方法だと土日完結で旅程を立てれるので、有休がとれなくてもマイル修行ができます。加えて、クアラルンプールだけでなくシンガポールも観光が可能です。時間がないけど海外発券で修行したい方でクアラルンプールに飽きた方は試してみてください。なお、土日完結でなくてもよいのであれば、普通にクアラルンプール往復とシンガポール往復にしたほうがコスパが良いです。

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