ANAマイルを使った国際線特典航空券は、目的地との単純往復だけに使うのはもったいないです。ルールを把握していると、ほぼ同じ費用で他の都市での滞在や、まったく別の海外弾丸旅行を追加することができます。この記事では国際線特典航空券旅程のルールとともに、この裏技的使い方について、忘備録もかねて解説します。
- ANAマイルを使った国際線特典航空券の裏技的使い方
- ANAマイルで発券できる国際線特典航空券の種類と特徴
- 特典航空券における乗り換えと途中降機
- 国際線特典航空券の旅程ルール
- 国際線特典航空券に弾丸旅行を追加する方法のまとめ
- 国際線特典航空券に国内旅行片道分を追加する方法
- 国際線特典航空券の検索がうまくいかない場合のチェックリスト
- まとめ
ANAマイルを使った国際線特典航空券の裏技的使い方
ANAのマイルは12000マイルから国際線航空券に交換することが可能です。一番単純な特典航空券の取り方は出発地と目的地の単純往復です。例えば以下のような感じ。
- 往路:羽田→シンガポール
- 復路:シンガポール→成田
- 必要経費:35000マイル+諸税(42330円)
ただ、この取り方は非常にもったいないです。国際線の特典航空券はルールを把握しておくことで旅程を増やすことが可能です。上にあげた東京―シンガポールの往復の場合、少し工夫すると以下のような旅程にできます。
- 往路1:羽田→ホーチミンシティ(1泊滞在)→シンガポール
- 復路1:シンガポール→成田(名古屋経由)
- 往路2:羽田→台北(1泊滞在)
- 復路2:台北→小松→東京
- 必要経費:38000マイル+諸税(45210円)+小松→東京の航空券(10000~15000円)
シンガポール単純往復の旅程に3000マイルを追加することでホーチミンシティへの滞在を可能にしています。さらに小松→東京の交通費15000円程度を追加することで、独立した別の旅行として台北弾丸旅行を追加しています。この記事ではこのような裏技的特典航空券利用方法を、特典航空券のルールとともに解説します。
ANAマイルで発券できる国際線特典航空券の種類と特徴
まず、ANAマイルで発券できる国際線特典航空券の種類と特徴について、解説します。ANAマイルで発券できる国際線特典航空券は3種類あります。
- ANA国際線特典航空券
- 提携航空会社特典航空券
- スターアライアンス世界一周
それぞれでルールや特徴が異なります。
ANA国際線特典航空券
ANAが運航する国際線(コードシェア不可)とANA便名がついた日本国内線(コードシェア可)のみで完結する旅程です。特徴は以下の通り。
- 空席待ちやプレミアムエコノミーの予約が可能
- 必要マイル数は同じ旅程でも時期によって異なる
- 日本発の旅程では途中降機(出発地と目的地以外の場所での24時間以上の滞在)不可
- 乗り換えは日本国内で往復それぞれ2回ずつ可能
提携航空会社特典航空券
国際線区間にANA運航便以外の便を含む旅程です。特徴は以下の通り
- 空席待ち不可
- 必要マイル数は季節によらない
- 途中降機が全旅程の中で1回可能
- 乗り換えは日本国内、国外それぞれで往復2回ずつ、最大8回可能
- スターアライアンス加盟の航空会社以外による運航便は、その会社単独での利用しかできない
特典航空券旅程に弾丸旅行を追加するには、この「提携航空会社特典航空券」を使う必要があります。
スターアライアンス世界一周
スターアライアンス加盟航空会社を使って世界一周旅程を組む場合の航空券です。独自のルールがありますが、今回は説明を割愛します。
特典航空券における乗り換えと途中降機
上の特典航空券の種類のところで、「乗り換え」と「途中降機」という言葉が出てきました。これらのルールを把握することが、特典航空券の旅程をうまく組む上で重要になります。以下で解説します。
乗り換え
乗り換えは、「出発地と目的地以外の都市において、24時間以内に異なる便に搭乗すること」です。具体的には、
東京―バンコク―シンガポール
という旅程において、バンコク到着からバンコク出発までが24時間以内の場合です。乗り換えの回数はANA国際線特典航空券と提携航空会社特典航空券で異なっており、
- ANA特典:日本国内で往路、復路各2回
- 提携特典:日本国内で往路、復路各2回、日本以外で往路、復路各2回
です。提携航空会社特典航空券だと、往復合わせて最大8回乗り換え、10区間利用することができます。例えば、以下のような旅程が作れます。
この旅程は福岡とジャカルタの往復旅程で、乗り換えは以下の通り
往路
- 大阪(国内乗り換え①)
- 東京(国内乗り換え②)
- バンコク(海外乗り換え①)
- シンガポール(海外乗り換え②)
復路
- バンコク(海外乗り換え①)
- マニラ(海外乗り換え②)
- 東京(国内乗り換え①)
- 大阪(国内乗り換え②)
乗り換えは24時間以内であれば日を跨ぐこともできます。
ちなみに、国内乗り換えには国際線―国際線の乗り換えも含まれるため、以下のように日本に一瞬戻ってくる旅程も可能です。
この旅程の往路は先ほどの例と同じで、復路の乗り換えは以下の通り。
- 東京(国内乗り換え①)
- ホーチミンシティ(海外乗り換え①)
- 台北(海外乗り換え②)
- 那覇(国内乗り換え②)
復路の1便目で東京に戻り、2便目で再び海外へ出発しています。このように、乗り換えをうまく使うことで旅程の途中でいったん帰国することが可能になります。
地上移動区間は距離によらず乗り換え1回の扱いとなります。例えば大阪―東京羽田―東京成田―シンガポールという旅程の場合、東京で1度乗り換えたという扱いになります。この地上移動区間は同じ都市である必要はありません。そのため、以下のような乗り換え旅程も可能です。
この旅程の往路は以下のようになっています。
羽田(出発地)→深圳(海外乗り換え①、地上移動)台北→バンコク(海外乗り換え②)→シンガポール
例えば都市としては別だが空港が近いような場合や、飛行機以外の移動手段を使いたい場合、空席が同じ空港からでは見つからなかった場合に活用できます。
乗り換えの定義は「異なる便に搭乗すること」ですので、便名が変わらない経由便での経由地における降機は乗り換えに含まれません。例えば、エチオピア航空のソウル経由アディスアベバ行きET673便は、ソウルで一度飛行機を降りる必要がありますが、特典航空券の旅程では乗り換えに入りません。
webページではこのように表示され、直行便扱いになります。
途中降機
途中降機は、24時間を超える乗り換えのことです。提携航空会社特典航空券または日本以外の国を往路出発地とするANA特典航空券において、全旅程の中で1度だけ可能です。この仕組みを利用することで、目的地以外での長期間滞在が可能になります。追加の費用はほとんどかかりません(施設利用料が乗り継ぎと出発/到着で異なる場合の差額分のみ)。例えば、
往路:東京→シンガポール
復路:シンガポール→ホーチミンシティ→東京
の場合、
のようにホーチミンシティで単純に乗り換える以外に、
のように途中降機にすることで、ほぼ同じ費用でシンガポール、ホーチミンシティの両方に滞在が可能になります。
提携航空会社特典航空券の場合、途中降機は乗り換え地点であればどこでも可能ですので、日本で途中降機することもできます。
例えば、以下のような旅程も可能です。
この旅程の場合、復路は
シンガポール(出発地)→名古屋(国内乗り換え①)→東京(国内乗り換え②、途中降機)→台北(海外乗り換え①)→小松
となっており、東京で途中降機することで旅程を東京―シンガポールと東京―台北―小松に分割しています。台北は「乗り換え」扱いですので、台北で24時間を超える滞在は出来ません。このようにすることで、通常の海外往復旅程に別の海外弾丸旅行を追加できます。最終目的地が出発地と同じ「東京」ではなく「小松」なのは、旅程を組む際に「出発地または目的地で乗り換えはできない」というルールを守る必要があるためです。次節で詳しく解説します。
国際線特典航空券の旅程ルール
ANAマイルで発券する国際線特典航空券の旅程には以下のようなルールが決められています。
このルールを逸脱する乗り換えや途中降機は出来ません。逆に、このルールに沿っていればどこでも乗り換えや途中降機は可能です。それぞれの項目について、解説していきます。
1. 目的地は出発地からの「必要マイル数」が最も高い地点
この「必要マイル数」とは、「ゾーン」ごとの必要マイル数です。「ゾーン」は特典航空券の必要マイル数を決めるために国や地域に対して決められた区分です。出発地と目的地がそれぞれどのゾーンに含まれているかによって、必要マイル数が決まり、実際の距離とは関係ありません。
各国や地域が具体的にどのゾーンに属しているかは、以下で確認できます。
以下ではゾーンに関係した必要マイル数の決め方の仕様を解説します。
同じゾーン内であれば目的地がどこでも必要マイル数は同じ
目的地が同じゾーン内にある場合、距離によらず必要マイル数は同じです。
具体的には、ANA運航便のみを利用した
東京―バンクーバー
東京―ニューヨーク
東京―メキシコシティ
東京―サンフランシスコ札幌―東京―サンフランシスコ
の往復は、すべて出発地がzone 1、目的地がzone 6なため、必要マイル数は同じです。
zone 1-Aとzone 1-B
提携航空会社特典航空券では、日本発(zone 1)がzone 1-Aとzone 1-Bに分かれており、zone 1-Bのほうが1-Aと比較して3000~15000マイルほど必要マイル数が多いです。これは、日本国内線以外に乗り換えがあるかないかによって決まり、乗り換えが無い場合はzone 1-Aが、ある場合はzone 1-Bが適用されます。具体的に例を挙げると、
東京-サンフランシスコ―東京
福岡―東京―サンフランシスコ―東京―福岡
大阪―サンフランシスコ―東京―大阪
は、いずれの旅程も日本国内以外は日本―サンフランシスコの往復2区間のみのため、zone1-Aになります。一方、
東京―ロサンゼルス―サンフランシスコ―東京
東京―ロサンゼルス―サンフランシスコ―ロサンゼルス―東京
大阪―サンフランシスコ―バンクーバー―東京―大阪
は、いずれの旅程も日本国内以外で乗り換えがあるので、zone1-Bになります。
複数都市に滞在する場合、最も必要マイル数が多いゾーンの都市が目的地
複数都市に滞在する場合、最も必要マイル数が多いゾーンに属する都市が目的地となります。具体的には、
東京―サンフランシスコ(zone 6)―ホノルル(zone 5)―東京
の場合、目的地はサンフランシスコ(zone 6)、出発地は東京(zone 1-B)となり、必要マイル数は出発地zone 1-B、目的地zone 6のものになります。仮に旅行の目的地がホノルルの場合、途中降機を利用することで、ホノルルに滞在することは可能ですが、東京―ホノルルの往復よりも必要マイル数は増えます。
ゾーン分けと実際の距離は無関係
ゾーン分けは実際の距離とは無関係なため、場所によっては距離が短いほうが必要マイル数が多くなる場合もあります。例えば東京-グアム間と東京―サイパン間を比較してみると、グアムの場合、
に対し、サイパンは
となり、サイパンのほうが所要時間も距離も短いにもかかわらず、グアムよりも倍以上のマイルが必要になります。これは、グアムがzone 3(アジア1)に含まれているのに対して、サイパンがzone 10(オセアニア・ミクロネシア)に含まれているためです。
2. 出発地と目的地では乗り換え不可
出発地や目的地で乗り換えはできません。具体的には、
往路:東京―ソウル
復路:ソウル―東京―福岡
の復路は出発地がソウル、目的地が福岡なので、そのどちらでもない東京では乗り換え可能です。一方、
往路:東京―札幌―東京―ソウル
復路:ソウル―東京
の往路は、出発地である東京で乗り換えができないため、発券できません。これは空港が違っていても都市が同じであれば不可なので、
成田―札幌―羽田―ソウル
も不可です。
逆に、出発地でも目的地でもなければ乗り換えは片道あたり最大2回まで可能ですので、次のような旅程も可能です。
この旅程の復路は、
- ジャカルタ(出発地)
- 東京(国内乗り換え①)
- ホーチミンシティ(海外乗り換え①)
- 東京(国内乗り換え②)
- バンコク(海外乗り換え②)
- 福岡(目的地)
となっています。出発地はジャカルタ、目的地は福岡なので、出発地でも目的地でもない東京での乗り換えは可能です。国内乗り換えは2回まで可能ですので、2回とも東京で乗り換えています。ANAのライフタイムマイルを稼ぐのに使えます。
3. 乗り換え地点の制限
乗り換えはどこでもできるわけではなく、出発地と目的地の組み合わせによって制限があります。この制限はエリアと呼ばれる区分で決められており、以下の3つに分かれています。
ゾーンと対応させると、おおむね以下の通りです。
エリア1:zone 5, zone 6, zone 9
エリア2:zone 7, zone 8
エリア3:zone 1, zone 2, zone 3, zone 4, zone 10
出発地と目的地がどのエリアに該当するかによって、乗り継ぎできる国や地域に条件が付きます。
例えば出発地エリアと目的地エリアがともに2の場合、エリア1やエリア3にあたるzone の都市を経由することができません。具体例を挙げると、
ロンドン(エリア2)→シンガポール(エリア3)→ヨハネスブルク(エリア2)
は出発エリアと目的地エリアがともに2なため、エリア3のシンガポールは経由できず、発券できません。これを避けるには
ロンドン(エリア2)→フランクフルト(エリア2)→ヨハネスブルク(エリア2)
のようにする必要があります。
エリアの制限があることで、
東京→ニューヨーク→フランクフルト→東京
といったルートも発券できません。このような場合は世界一周航空券を利用する必要があります。
注意が必要なのが中央アジアで、例えば東京からウズベキスタンのタシケントまでの旅程を考えると、
東京→ソウル→タシケント
は可能ですが、
東京→イスタンブール→タシケント
は不可です。これは、出発地(東京)、目的地(タシケント)がともにエリア3なので、エリア2のイスタンブールを経由できないためです。2024年1月現在では、タシケント発着のスターアライアンス運航便はソウル(アシアナ航空)とイスタンブール(トルコ航空)のみのため、アシアナ航空が大韓航空と合併してスターアライアンスを抜けてしまうと、ANAマイルを使った特典航空券では日本からウズベキスタンへの旅程は組めなくなります。
4. 出発地から目的地までよりも必要マイル数が多くなる都市では乗り換えできない
出発地ゾーンからどこかの都市を経由して目的地まで行く場合、出発地ゾーンと目的地ゾーン間での必要マイル数が経由する都市の所属するゾーンと目的地ゾーン間での必要マイル数より少ない必要があります。この条件によって乗り換え可能な地点が制限されます。例えば、出発地が東京、目的地がロサンゼルスの場合、
乗り換え可能
- サンフランシスコ
- バンクーバー
- ニューヨーク
- ホノルル
乗り換え不可
- ソウル
- 台北
- シンガポール
です。サンフランシスコ、バンクーバー、ニューヨークが乗り換え可能なのは、これらの都市がロサンゼルスと同じzone 6に所属しているため、ホノルルが乗り換え可能なのは、ホノルル(zone 5)とロサンゼルス(zone 6)間の必要マイル数が東京(zone 1)とロサンゼルス(zone 6)間の必要マイル数より少ないためです。一方、ソウル、台北、シンガポールが乗り換え不可なのは、ソウル(zone 2)、台北(zone 3)、シンガポール(zone 4)とロサンゼルス(zone 6)の間の必要マイル数が、東京―ロサンゼルス間の必要マイル数よりも多いためです。
この必要マイル数は上で説明した通り、実際の距離とは無関係です。そのため、総移動距離が長いニューヨークでの乗り換えが可能で、総移動距離が短いソウルでの乗り換えは不可となります。
5. 出発地と最終目的地は同一国内
日本を出発する旅程の場合、最終目的地は日本国内である必要があります。日本国内であれば都市が違っていても問題ありません。ANAホームページの例ですと、
往路:大阪→北京
復路:北京→東京
は出発地、最終目的地ともに日本なので、出発地が大阪、最終目的地が東京でも可能となります。日本発着の旅程だと特に問題にはなりませんが、アメリカやヨーロッパ発着の旅程の場合は注意が必要です。また、以下の通り、一部の国や地域には例外があります。
- 香港と中国、香港とマカオは別国扱い
- スカンジナビア3カ国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)は、スカンジナビア内のみの旅程を除き、同一国扱い
- アメリカ合衆国とカナダは同一国扱い
- ヨーロッパ内(おそらくzone7)のみの旅程を除き、ヨーロッパ(ウラル山脈以東のロシアは除く)は同一国扱い
6. 出発地と最終目的地、往路目的地と復路出発地は同一エリア内
これも普通は特に気にする必要のない項目ですが、中央アジアなどエリアの境目に位置する都市を含む旅程を組む際は気を付ける必要があります。例えば、以下のような旅程はこのルールのため発券できません。
往路:東京→ウラジオストク(エリア3)
復路:モスクワ(エリア2)→東京
往路:ソウル→タシケント(エリア3)
復路:イスタンブール(エリア2)→ソウル
7. 往路目的地と復路出発地が異なるゾーンの場合、必要マイル数は各ゾーンの必要マイル数の2分の1の合算。
これはそのままなので、解説することはありません。
国際線特典航空券に弾丸旅行を追加する方法のまとめ
追加方法
国際線特典航空券に弾丸旅行を追加するには、これまでに解説した条件に従い、以下の条件を満たす必要があります。
- ANA以外のスターアライアンス航空会社運航便を旅程に含める
- メインの旅程での乗り換えは24時間以内(途中降機を日本で使うため)
- 日本国内での途中降機地点と出発地または目的地を同じ都市にしない
- 追加する弾丸旅行部分の滞在時間は24時間以内
最初に例として挙げた東京―シンガポールの旅程
の場合、4つの条件は以下のように満たしています。
1. スターアライアンス運航便の利用
以下の区間でスターアライアンス運航便を利用しています。
- ホーチミンシティ→シンガポール(シンガポール航空)
- シンガポール→中部(シンガポール航空)
- 台北→小松(エバー航空)
2. メインの旅程での乗り換えは24時間以内(途中降機を日本で使うため)
メインの旅程(東京―シンガポール)での乗り換えは
- ホーチミンシティ(往路)
- 中部(復路)
で行っていますが、どちらも24時間未満の乗り換えです。
3. 日本国内での途中降機地点と出発地または目的地を同じ都市にしない
途中降機は復路に行っているので
復路出発地:シンガポール
復路目的地:小松
途中降機 :東京
となり、条件を満たしています。
4. 追加する弾丸旅行部分の滞在時間は24時間以内
追加した弾丸旅行部分は東京→台北→小松で、
台北到着:10月23日12時25分
台北出発:10月24日6時35分
滞在時間:18時間10分
となり、条件を満たしています。
実際にこの旅程で旅行する場合、往路はホーチミンシティ到着が8/31の21時25分、出発が9/1の19時40分なので、ホーチミンシティで1泊して9/1は朝から夕方まで市内を観光することが可能です。この際、ホーチミンシティまで利用したANAとホーチミンシティから先のシンガポール航空は荷物のスルーチェックインに対応しているため、荷物をホーチミンシティで受け取る必要はありません。1泊分の荷物だけを機内持ち込みすることで最小限の荷物で観光できます。
復路はシンガポールから名古屋を経由して東京に戻ります。東京到着で一度旅行は終了です。残りは1か月以上先に再度東京から出発し、台北に昼過ぎに到着、市内を観光したのち、次の日の早朝便で帰国します。帰国便は朝6時台の出発ですが、台北市内から台北桃園空港までは深夜時間帯もバスがあるので、夜遅くまで台北を楽しんでからバスで空港に移動するという方法も使えます。帰国便は東京ではなく小松に到着するので、小松から東京までの移動手段は別途確保が必要です。
注意点
1. 空席待ちができないので、すべての旅程の空席を同時に抑える必要がある
提携航空会社特典航空券は空席待ちができないため、すべての旅程の空席を同時に抑える必要があります。すべての旅程を希望日に取るには根気よく空席情報をチェックする必要があります。スターアライアンス加盟航空会社の特典航空券空席については、ユナイテッド航空のホームページを活用することで比較的簡単に探すことができます。方法はこちらで解説しています。
worldwideharikov.hatenablog.com
2.サーチャージや諸税は余計にかかる
通常の往復と比較して、区間が増える分サーチャージや諸税は余分にかかります。特にANA特典航空券がローシーズンの時期だと必要マイル数にもかなりの差が出ますので、弾丸旅行で追加できるような都市の場合、個別に2回旅行したほうが良い場合もあります。シンガポール航空のようにサーチャージ不要の航空会社を選ぶと諸税部分は圧縮可能です。また、往路出発地と復路目的地は必ず異なりますので、両地点の移動費が別に必要です。
3. ウェブサイトでの変更ができない
途中降機を含む特典航空券旅程はウェブサイトでの変更ができません。必ず電話で変更する必要があります。
国際線特典航空券に国内旅行片道分を追加する方法
海外弾丸旅行を追加するのは少し面倒だという方に向けて、同じ方法を利用することで国内旅行の片道分を追加する方法も解説します。やり方は海外弾丸旅行の追加と同様で途中降機を活用します。
例えばこれは東京―シンガポールの提携航空会社特典航空券の旅程ですが、提携航空会社特典航空券は途中降機が可能です。これを生かすと以下のような旅程が可能になります。
東京で途中降機を追加し、まったく別の東京―那覇間の旅程を追加しています。必要マイル数は変わらず、諸税も数百円の追加だけです。こうすることで、国内旅行の航空券を半分確保することができます。国内での乗り継ぎにはエリアの制限はないので、スターアライアンス運航便を利用した提携航空会社特典航空券であればすべての旅程で可能です。
注意点
この旅程の注意点は提携航空会社特典航空券でないとダメなことです。例えば、
のような、ANAの国際線のみの往復旅程の場合は途中降機ができないため、今回のような追加はできません。東京到着後24時間以内での乗り継ぎのみ可能です。
国際線特典航空券の検索がうまくいかない場合のチェックリスト
ANAホームページで特典航空券を探す際、便の選択をした結果このような画面が出てくることがあります。その場合はどこかで特典航空券旅程の条件を満たさない区間が存在していることになります。残念ながらどこがダメかは指摘してくれないので、原因は自力で探す必要があります。以下にいくつか原因となりうる要因を挙げておきます。
乗り換え回数がオーバーしている
空席があると思って出発と到着の時間だけを見て選択すると、実は乗り換えがたくさんあるルートだった、ということがあります。提携航空会社特典航空券でも乗り換えは往路、復路それぞれ最大4回まで(国内2回、海外2回)です。これを超えて乗り換えをしようとするとエラーが出ます。
時々海外で乗り換え3回のルートが出てきますが、これは選択しても必ずエラーになります(最初から外しておいてほしい...)。
乗り換えが不可能な便を選んでいる
区間を分けて検索している場合、特に日を跨ぐ便が混ざると、前便の到着時間より早い時間に出発する乗り継ぎ便を選んでしまっていることがあります。また、最低乗り継ぎ時間を満たしていない場合もあります。国際線乗り換えはいろいろとトラブルが生じることが多いので、なるべく余裕を持たせましょう。上級会員資格を持っている場合はラウンジを利用できることが多いので、長めに乗り継ぎ時間を取ってラウンジでのんびり過ごすのがおすすめです。
提携航空会社特典航空券なのに空席待ちを選んでいる
他の区間でANAグループ運航便以外の便を選択していても、例えば日本国内線などでは空席待ちの表示が出ます。提携航空会社特典航空券は空席待ちができないため、このような場合に空席待ちの便を選んでしまうとエラーになります。
日本出発のANA特典航空券で24時間を超える乗り換えがある
日本出発、日本帰着のANA特典航空券の場合は途中降機ができません。そのため、国内空港で24時間を超える乗り換えがある便を選ぶとエラーが出ます。
乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が出発地から目的地よりも高い
ゾーンのところで解説した通り、乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が出発地から目的地までの必要マイル数より高い旅程はエラーになります。特に注意が必要なのが北米路線で、安い有償航空券でよくある日本発でソウルや台北、中国本土を経由する北米行き旅程は特典航空券では不可です。
往路と復路でまったく同じ経路が含まれている
webから予約する場合、往路と復路でまったく同じ経路を使うことはできないようなので注意が必要です。例えば、
往路:東京→バンコク→シンガポール→ジャカルタ
復路:ジャカルタ→バンコク→シンガポール→東京
という旅程の場合、往路、復路ともにバンコク→シンガポールという区間が入っているので、エラーとなりウェブ上では発券できないようです。特典航空券のルール上は問題ないはずなので、もしかすると電話で予約すれば発券できるかもしれません。
まとめ
ANAマイルを利用した国際線特典航空券に弾丸旅行を追加する方法を解説しました。手順をまとめると、
- ANA以外のスターアライアンス航空会社運航便を旅程に含める
- メインの旅程での乗り換えは24時間以内(途中降機を日本で使うため)
- 日本国内での途中降機地点と出発地または目的地を同じ都市にしない
- 追加する弾丸旅行部分の滞在時間は24時間以内
です。コツは乗り換えと途中降機のルールを把握しておくことです。
乗り換え:24時間以内の滞在、日本国内で往路復路各2回、日本以外で往路復路各2回可能
途中降機:乗り換え地点において24時間を超える滞在、全旅程の中で1回だけ可能
これらを把握しておくと、弾丸旅行の追加に限らず、特典航空券を使った旅程の構築がかなり楽になります。特に海外弾丸旅行のハードルが高い場合でも、国内旅程を追加して次の旅行の片道分の費用を浮かせるという使い方は、旅行の予定さえ決まっていれば簡単にできますのでお勧めです。長くなりましたが以上です。