2020年10月27日に発表されたANAグループの構造改革の中で、エアージャパンを母体とした新しい中距離LCCの設立が発表されました。この新LCC、エアージャパンを母体とするとのことなので、現在エアージャパンが運航しているANA路線は新LCCに移管され、ANA本体としては路線を縮小する可能性があると思われます。もしそうなった場合の影響を考えてみました。
ANAが中距離LCCの設立を発表
2020年10月27日、ANAグループの新しいビジネスモデルへの構造改革が発表されました。その中でエアラインビジネスとして、Peachとは別にエアージャパンを母体とした新たな中距離LCCの設立が発表されました。この新LCCは、ボーイング787型機(2クラス)を用いてアジアやオーストラリア路線に就航するとのことです。
ポイントは、JALがZIPエアを設立したときのように機材だけJALから移籍させて他はゼロから始める、というのではなく、すでにあるエアージャパンを母体として設立するという点です。ZIPエアの場合はJALの路線はそのままに、ZIPエアとして新たに就航していますが、この新LCCが設立される際には、エアージャパンが現在運航している路線を新LCCに移管し、ANA本体から切り離す可能性があると思われます。
エアージャパンとは?
エアージャパンは国際線や貨物便を運航するANAグループの航空会社です。一応NQというコードを持っていますが、航空券はANA便名(NH)で発券されますし、旅客便のサービスもANAと全く同じです。そのため、普通に利用していてANA本体との違いで気になる点はありません。国内線のANA wingsのようなイメージです。
ホームページも一応あります
が、航空券予約などのリンク先の多くはANA本体のホームページにつながっています。
現在、エアージャパンの機材が使われている国際線は以下の通り(2020年夏ダイヤ、コロナの影響で運休中路線も含む)
羽田発着
- ホノルル
- シドニー
- バンコク
- ホーチミンシティ
- シンガポール
- 台北(松山)
- ソウル(3往復中1往復)
成田発着
- チェンナイ
- ハノイ
- ホーチミンシティ
- プノンペン
- ヤンゴン
- シンガポール
- 成都
- 香港
運航路線は季節によって大きく変わっているようで、2020年冬ダイヤでは香港線とシンガポール線や台北線の一部のみとなっていました。基本的には東南アジア路線が中心です。
ANA路線が新LCCに移管されるとどうなるか
新LCCの就航先として挙げられているのは、東南アジアとオーストラリアです。ANAが新LCCに路線を譲渡するとなると、東南アジア路線や豪州線ではANA本体の路線が減る可能性があります。特にシンガポールやクアラルンプール、シドニーなど、これまでSFC修行でよく利用されていた路線も減便される可能性があります。羽田の発着枠の都合もあるので、すべてを移管するということはないとは思いますが、成田線がすべて新LCCに移管されると、便数はおおむね半減しますので、SFC修行のための選択肢は少なくなりますし、安い運賃で売られる座席数も減ります。特にマイルの積算率の高いプレミアムエコノミークラスについては供給数がもともと少ないのでSFC修行で使えるようなタイミングでチケットを取ることは難しくなりそうです。
まとめ
ANAが新しいビジネスモデルとして第3ブランドの中距離LCC設立を発表しました。この中距離LCCはエアージャパンを母体とするとのことなので、ANA本体の路線は減少する可能性があります。その対象となる路線にはSFC修行でもよく用いられている東南アジア路線や豪州線が含まれており、SFC修行僧には影響が出そうです。実際にどうなるかは現状ではわかりませんが、コロナ後の世界において、国際線を使ったSFC修行はかなりやりにくくなる可能性が高いです。ただ、現状だとそもそもANAがコロナ後に生き残っている保証もありませんし、SFCというシステムが維持されているかも不明ですので、まずはその心配をしたほうが良いかもしれません。