2020年羽田空港国際線増枠によるANAの就航先まとめ

 2020年3月29日から、羽田空港国際線の昼間時間帯の発着枠が増枠されます。ANAに配布された13.5往復分の発着枠を使った就航先が正式に発表されましたので、羽田からどこへ就航したのか、成田線はどうなったのか、をまとめてみます。また、このブログでは発着枠の配分が決まったときに新規就航先を予想していましたが、それとの答え合わせもしてみます。

ANAの就航先

2020年夏ダイヤの概要

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2020年夏ダイヤで羽田国際線発着枠を利用した就航先は以下の通りです。

アメリカ:6往復

・ワシントン(成田から移管)
・シアトル(成田から移管)
・ヒューストン(成田から移管)
・サンノゼ(成田から移管)
・サンフランシスコ(新規就航)
・ロサンゼルス(増便、成田から一部移管)

中国:2往復

・青島(新規就航)
・深圳(新規就航)

ロシア:1往復

・モスクワ/ドモジェドヴォ(新規就航)

オーストラリア:1往復

・シドニー(増便)

イタリア:1往復

・ミラノ/マルペンサ(新規就航)

トルコ:1往復

・イスタンブール(新規就航)

スカンジナビア:1往復

・ストックホルム(新規就航)

インド:0.5往復(深夜早朝枠と合わせて1往復)

・デリー(成田から移管)

 配布された14往復(インド線を1往復として計算)の発着枠のうち、新規就航が5路線増便や成田線を残したままの路線開設が3路線成田からの移管が6路線となりました。

 また、これ以外にベトナム路線の再編も発表されました。

・ハノイ(成田へ移管)
・ホーチミン(成田から一部移管)

公式発表はこちら

www.ana.co.jp

2020年1月25日追記

スケジュールの詳細も発表されました。公式発表はこちら。

www.anahd.co.jp

3月29日からの増減便について、スケジュールの既存路線との比較なども含めて記事にまとめました。こちらも参考にしていただければと思います。

worldwideharikov.hatenablog.com

 

2020年羽田空港国際線増枠によるJALの就航先についてはこちらでまとめています

worldwideharikov.hatenablog.com

海外航空会社の就航先についてはこちらでまとめています

worldwideharikov.hatenablog.com

以下では地域ごとに解説します。

2020年1月25日追記

 スケジュール発表を受けて記事の情報を追加しました。

アメリカ(6往復)

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photo by pixabay

羽田増枠分

・ワシントン(成田から移管)
・シアトル(成田から移管)
・ヒューストン(成田から移管)
・サンノゼ(成田から移管)
・ロサンゼルス(増便、成田から一部移管)
・サンフランシスコ(新規就航、週3便、5月25日から週7便)

既存の羽田線

・ロサンゼルス(1往復)
・ニューヨーク/JFK(1往復)
・シカゴ(1往復)
・ホノルル(1往復)

成田線

・サンフランシスコ(1往復)
・ニューヨーク/JFK(1往復)
・シカゴ(1往復)
・ホノルル(2往復)
・ロサンゼルス(減便[2往復→1往復]、減便分を羽田へ移管)
・ヒューストン(羽田へ移管)
・サンノゼ(羽田へ移管)
・シアトル(羽田へ移管)
・ワシントン(羽田へ移管)

 アメリカ線では新規就航路線はなく、大部分が成田からの移管となりました。羽田と成田で新たに増便するのは羽田―サンフランシスコ線のみです。羽田―サンフランシスコ線は3月29日から週3便で運航開始、5月25日から週7便運航となります。サンフランシスコ線が週7便運航となる5月25日以降は羽田線が1日あたり9路線10往復、成田線が6路線週7往復となります。余談ですが、ワシントン線が羽田に移管し、NH101, NH102として運航することになったので、ANAのトップナンバー路線(NH1, NH2)が消滅してしまいました。
 アジア―北米間の移動のために成田線をそれなりに残すかと予想していましたが、機材や人手不足、世界情勢もあってこのような判断になったのだと予想されます。2014年の羽田国際線増枠時も一時的に成田線を減便し、その後再増便させていたので、今後機材や人手が確保できれば、成田から北米への新規路線を増やすのかもしれません。また、提携相手のユナイテッド航空は北米―成田線を1日あたり6路線6往復残していますので、アジア―北米間移動についてはユナイテッド航空の路線網も活用すればある程度の選択肢を残せそうです。
 発表時の予想が当たっていたのは、ヒューストン線の移管とサンフランシスコ線の開設でした(予想正解率2/6)。

中国(2往復)

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photo by pixabay(青島天主教会)

羽田増枠分

・青島(新規就航)
・深圳(新規就航)

既存の羽田線

・北京(2往復)
・上海/浦東(2往復)
・上海/虹橋(1往復)
・広州(1往復)

成田線

・北京(1往復)
・上海/浦東(3往復)
・大連(1往復)
・杭州(1往復)
・厦門(1往復)
・広州(1往復)
・瀋陽(1往復)
・大連(1往復)
・成都(週4便→1往復)
・武漢(1往復)
・青島(1往復)

 中国線の新規就航先は青島と深圳となりました。深圳はANAの新規就航先になります。香港と中国の境に位置しており、ハイテク産業で発展が目覚ましい都市です。成田―青島線は維持されますので、東京―青島間は1日2往復となります。なお、成田―成都線も2月18日から増便され、1日1往復となります。
 予想時は成田―上海を羽田移管+成田―天津、羽田―深圳だったので、まあ半分はあっていたとして良いでしょうか(予想正解率1/2)。青島も予想には挙げていた都市でしたので、惜しかったです。

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ロシア(1往復)

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photo by pixabay

羽田増枠分

・モスクワ/ドモジェドヴォ(7月1日新規就航)

成田線

・ウラジオストク(3月16日新規就航、週2便、3月29日から週3便)

 ロシア線はモスクワ/ドモジェドヴォへの新規就航となりました。就航は7月1日からで、1日1往復、機材はB767-300ERです。所要時間が10時間近くある長距離便ですが、ビジネスクラスでもフルフラットにはならない機材です。一方、エコノミークラスは2-3-2配列ですし、シートを倒さずにリクライニングするFixed Back Shellスタイルの座席なので、意外とB787よりも快適かもしれません。ロシアには現在のところ提携相手がいないので、乗り継ぎをどうするかが注目です。S7航空と提携するとのうわさもありますが、正式発表はまだされていません。予想としては、当初予想通りの就航でした(予想正解率1/1)。

オーストラリア(1往復)

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photo by pixabay

羽田増枠分

・シドニー(増便)

既存の羽田線

・シドニー

成田線

・パース

 オーストラリア線はシドニーの増便となりました。増便分と既存のシドニー線の3月29日以降のダイヤ(2020年1月25日時点)は以下の通りです。

NH889:羽田(8:50)  →シドニー(20:15)
NH879:羽田(22:30)→シドニー(8:55+1)
NH890:シドニー(12:55)→羽田(20:30)
NH880:シドニー(20:55)→羽田(5:30+1)

羽田朝発、シドニー夜着と、シドニー昼発、羽田夜着が追加されます。これによって時間の選択肢が増えて利便性が高まりますし、NH879の折り返しをNH890にすることで機材のシドニー待機時間が減り、機材稼働率もあがります。弾丸旅行を組みやすくもなります。
 予想時は羽田―ブリスベンの新規開設と悩みましたが、こちらはヴァージンオーストラリアが就航し、ANAがコードシェアをすることとなりました(予想正解率0/1)。

イタリア(1往復)

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Dimitris VetsikasによるPixabayからの画像

羽田増枠分

・ミラノ/マルペンサ(4月20日新規就航、週3便、7月10日から週7便)

 イタリア線はミラノへの新規就航に決まりました。ANAはかつて関西―ミラノ―ローマ線を運行していましたが、1998年10月に撤退しています。およそ20年ぶりの自社便再就航となります。4月20日から週3便で運航開始、7月10日から1日1往復となります。スケジュールは

NH207:羽田(0:55)  →シドニー(6:20)
NH208:羽田(12:10)→シドニー(7:00+1)

となり、羽田を深夜に出発します。

 イタリア路線はローマ線を予想していましたが、こちらはアリタリア航空が運航するようです(予想正解率0/1)。

トルコ(1往復)

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photo by pixabay

羽田増枠分

・イスタンブール(7月6日新規就航)

 トルコ線はイスタンブールの新規開設に決まりました。イスタンブールは現在ターキッシュエアラインのコードシェアで就航していますが、ANAの自社便では新規就航都市となります。7月6日から1日1往復での運航となります。

 イスタンブールへの就航は、発表当初の予想通りの結果となりました(予想正解率1/1)。

スカンジナビア(1往復)

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brightfreakによるPixabayからの画像

羽田増枠分

・ストックホルム(6月6日新規就航、週3便、7月20日から週7便)

 スカンジナビア線はストックホルムへの新規就航に決まりました。ストックホルムは現在日本からの直行便がなく、完全に新規就航路線となります。6月6日から週3便で就航し、7月20日から1日1往復となります。

 ストックホルムへの就航も当初の予想通りの結果となりました(予想正解率1/1)。

インド(0.5往復)

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photo by pixabay

羽田増枠分

・デリー(成田から移管)

成田線

・デリー(羽田へ移管)
・ムンバイ(1往復)
・チェンナイ(週3便)

 インド線はデリー線を成田線から移設することになりました。出発時刻が成田線と比較して前倒しになり、デリー到着が夕方(16:25)となります。成田線の時は深夜(0:05)にデリー到着で使いづらかった点が改善します。デリー発も夕方(18:30)で、羽田に早朝(5:55)着です。
 予想はムンバイ線の移管でした。なかなか難しいです(予想正解率0/1)。

ベトナム(路線再編)

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photo by pixabay

羽田線

・ハノイ(成田へ移管)
・ホーチミン(成田から1往復移管)

成田便

・ハノイ(羽田から移管)
・ホーチミン(減便[2往復→1往復]、減便分を羽田へ移管)

 ベトナム線はハノイ線とホーチミン線の入れ替えを行います。ホーチミン線は発着時間に変更はさほどありませんが、ハノイ線は羽田午前発、ハノイ午後発のスケジュールから、成田夕方発、ハノイ深夜発のスケジュールに変更され、ハノイ発が深夜便となります。

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まとめ

 2020年3月の羽田空港国際線発着枠開放に伴う、ANAの羽田国際線新規路線をまとめました。発着枠が決まったときの予想とは異なり、多くが成田線からの移管となり、新規路線は予想ほど増えませんでした。2014年の羽田空港国際線発着枠開放の際にも、ANAは成田発着のシンガポール線やバンコク線を減便した後に再度増便したりしていますので、機材や人手の調整が付き次第、空いた成田線を復活させるか、成田から新規路線を就航させるのではないかと思います。実際問題、羽田の発着枠は当分増えない(物理的に難しい)一方、成田は第三滑走路の計画があるなど、発着枠が増える見込みです。そのため、路線を増やすには成田線を増やさざる負えないです。なお、以前の羽田国際線増枠時の各社の就航先や成田線の扱いについてはこちらにまとめています。

worldwideharikov.hatenablog.com
 羽田空港国際線発着枠配分時の予想の正解率は、6/14でした。予想した当時の感触では、中国とアメリカ路線はもともと自信がなく、イタリア・インド・スカンジナビア・オーストラリアが半分くらいあたるかな?という具合でしたので、まさにその通りとなりました。予想記事はこちら

worldwideharikov.hatenablog.com

以上、2020年羽田空港国際線増枠によるANAの就航先まとめでした。

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