2020年3月29日から羽田空港国際線の昼間時間帯発着枠が増やされ、日本の航空会社に25往復分、海外の航空会社に25往復分、合計50往復分が就航可能になりました。しかし、2019年末ごろに中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う入国制限などの影響で、国際線は壊滅的な打撃を受けています。今回の増枠分に伴う羽田国際線新路線についても、すでに就航延期や減便などが発表されています。そこで、2020年3月27日現在で、新たに配布されていた50往復中いくつの便が予定通り就航するのかを調べてみました。なお、状況は刻々と変化しているので、運行状況を調べたい場合は各社ホームページなどで最新の情報をご確認ください。
ANA
ANAには14路線分が配布されています。詳細はこちらでまとめています。
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そのうち、予定通り就航するのが3路線、減便して就航するのが4路線、就航延期が7路線です。
予定通り
- モスクワ/ドモジェドヴォ
- イスタンブール
- ストックホルム
これらの路線は今のところ予定通りです。ただ、これはもともとの就航予定が6月以降のため、今のところは新型コロナウイルスの影響をうけてないだけです。もし新型コロナウイルスの影響が長引けば、これらの路線にも影響が出てきます。
減便
- シアトル(3月29,31, 4月2日のみ運行)
- ワシントン(3月29、31日のみ運行)
- ヒューストン(4月1日から運休)
- デリー(3月30、4月1,3,5、8のみ臨時便として運行)
アメリカ行きの3路線は減便としていますが、4月から運休なので、実質就航延期です。デリー線も3月27日に指定日のみ臨時便として運航する旨が発表されました。
就航延期
- 青島(4月25日から)
- サンフランシスコ(4月25日から)
- ロサンゼルス(4月25日から)
- サンノゼ(4月25日から)
- シドニー(4月25日から)
- ミラノ(未定)
- 深圳(未定)
ミラノと深圳は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、再就航時期が未定となっています。アメリカ線はゴールデンウィーク前には就航する予定ですが、現状ではゴールデンウィークまでにアメリカと日本の両方で新型コロナウイルスの状況が改善するとは思えないので、さらに延期される可能性もあります。
JAL
JALには12路線分が配布されています。詳細はこちらにまとめています。
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そのうち、予定通り就航するのが3路線、減便して就航するのが3路線、就航が延期されるのが6路線です。
予定通り
- シカゴ
- ダラス
- ホノルル(JL73/74)
アメリカ方面の3路線が予定通り3月29日から就航予定です。ただ、日本もアメリカもお互い不要不急の渡航は中止するよう指示されているので、就航後すぐに減便や運休になる可能性もあります。
減便
- ロサンゼルス(5月1日までのうち合計12日運休)
- シドニー(3月29日―31日のみ運行)
- デリー(3月29日―4月2日のみ運行)
ロサンゼルス、シドニー、デリー線は減便での就航です。ただし、シドニー線とデリー線は4月頭から運休なため、実質就航延期です。
就航延期
- 大連(4月6日から、週7→週4便)
- ホノルル(JL71/72, 4月24日から)
- ヘルシンキ(4月24日から)
- モスクワ/シェレメチェボ(4月30日から)
- ニューヨーク/JFK(5月1日から)
- 上海/浦東(5月1日から)
大連線は4月6日から週4往復に減便の上、就航予定です。ただし、中国路線の発着制限(成田か関西のみ)が延期されれば延期になるでしょう。そのほかは4月後半から就航予定ですが、これも新型コロナウイルスの影響がどうなるか次第です。
海外航空会社
海外航空会社には合計25路線分が配布されています。詳細はこちらにまとめています。
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そのうち、予定通り就航するのは1路線、減便して就航するのは4路線、就航延期が17路線、不明が2路線です。インド線はいまだに就航する航空会社が決まっていません。
予定通り
- シアトル(デルタ航空)
調べた限り唯一通常運航する予定なのがデルタ航空のシアトル線です。デルタ航空はアメリカ系の航空会社の中で一番減便が少ないです。日本にパートナーとなる航空会社がおらず、自社便が欠航すると振替ができないためになるべく運航しているのかもしれません。
減便
- デトロイト(デルタ航空)
- ホノルル(デルタ航空)
- アトランタ(デルタ航空)
- コペンハーゲン(スカンジナビア航空)
デルタ航空の3路線とスカンジナビア航空が減便しますが3月29日から就航予定です。
就航延期
- ニューヨーク/ニューアーク(ユナイテッド航空)
- ロサンゼルス(ユナイテッド航空)
- ロサンゼルス(アメリカン航空)
- ダラス/フォートワース(アメリカン航空)
- シカゴ(ユナイテッド航空)
- ワシントン(ユナイテッド航空)
- ポートランド(デルタ航空)
- ホノルル(ハワイアン航空)
- 北京/首都(中国国際航空)
- 北京/大興(中国南方航空)
- 北京/大興(中国東方航空)
- ウラジオストク(S7航空)
- メルボルン(カンタス航空)
- ブリスベン(ヴァージンオーストラリア航空)
- ローマ(アリタリア航空)
- イスタンブール(ターキッシュエアラインズ)
- ヘルシンキ(フィンエア―)
残りの大部分は就航延期が発表されています。
不明(おそらく運休)
- 上海/浦東(上海航空)
- モスクワ/シェレメチェボ(アエロフロートロシア航空)
上記2路線は公式発表を見つけられませんでしたが、状況からおそらく運休すると思われます。
まとめ
いよいよ明日となった羽田空港国際線の増便ですが、新型コロナウイルスの影響で3月29日から予定通り就航する路線は50往復の枠のうちわずか4往復、半数以上が就航延期という状況になっています。それどころか既存の国際線路線もほとんどが運休か減便となっています。現在予定通りの路線についても、状況次第で運休となりえます。実際にこの記事を書いている間にもアメリカへの渡航禁止・入国拒否を検討との報道が出ていました。発着枠が発表された2019年9月に、誰がこの結末を予想したでしょうか。このままだと運休したきり、日本どころか世界から消えてしまう航空会社も出てきそうです。早く新型コロナウイルスが終息し、正常化することを祈るばかりです。